ファンシー中村ラ

ザ・ウォークのファンシー中村ラのレビュー・感想・評価

ザ・ウォーク(2015年製作の映画)
4.0
映画は普段行けないところに連れて行ってくれる。『プライベートライアン』では戦場に、『ゼログラビティ』では宇宙空間に、そしてこの映画では1974年のニューヨーク、ワールドトレードセンターツインタワーの間に張られたワイヤーの上に。どれもCGだって判っているのにこんなに興奮するのは、やっぱり映画としての見せ方が上手いからだ。この映画で言えば、フィリップ・プティという綱渡り師がいて実際ににこれをやってのけた!彼がどんな生い立ちで、どんな思いでこんな途方も無いことをやってのけたのか、当日までどんな仲間とどんな準備をして本番を迎えたのか、しっかり丁寧に描いてあるからだ。だからワイヤーへかける最初のその一歩に涙し、そして戻る最後の三歩まで見逃せず手に汗握る。3Dでの臨場感抜群、正に映画館で体験すべき映画。アラン・シルベストリの音楽も良い。