たけちゃん

シンドバッド 七回目の航海のたけちゃんのレビュー・感想・評価

3.7
ダイヤは小さくても、気品があって美しい……


ネイサン・ジュラン監督 1958年製作
主演カーウィン・マシューズ


勝手にお知らせシリーズ「今日は何の日」
本日、6月29日は特撮の巨匠レイ・ハリーハウゼンの誕生日です。なんと、今日は生誕100周年の日。
そうと分かれば、これを始めねばなりません。
「レイ・ハリーハウゼン作品巡りの旅」(^o^)ノ

僕自身も大昔に観たきりなので、ある意味、楽しみです( ˘ ˘ )ウンウン
出来れば、時代性も把握した上で観たいよね。


と、その前に
【レイ・ハリーハウゼン】
1920年6月29日カリフォルニア州ロサンゼルスで生まれる。両親はドイツ移民だそうです。
1933年に公開された「キング・コング」に影響され、映画の道を志すように。これって、影響を与えたという意味では円谷英二と同じですよね。
やっぱり「キング・コング」ってすごいなぁ。2人の特撮の巨匠に影響を与えるとは( ˘ ˘ )ウンウン

第二次世界大戦中はフランク・キャプラの映画班で学んだそうですよ。本当に戦時下なのか?
「マイティ・ジョー」のオリジナルである1949年の「猿人ジョー・ヤング」にアシスタント・アニメーターとして参加し、効果技術として名前が出ました。

レイ・ハリーハウゼンが中心となって製作された最初の作品は1953年の「原子怪獣現わる」で、この翌年に東宝の「ゴジラ」が発表されます。見事なライバル関係。
今日、本当はそちらをレビューしたかっなんですが、まだ手元に無くて(ポチッたけど)、今回はレイ・ハリーハウゼン初のカラー作品、「シンドバッド七回目の航海」を選びました。







さて、映画です。
シンドバッド三部作の1作目です。
今作の成功でレイ・ハリーハウゼンの名前も有名になりました。なんせ、今作の題材は特撮抜きでは映像化出来ないので、大活躍ですからね。

1958年って昭和33年です。
僕が生まれる前の作品ですから、当然、劇場でなんかは観てません。テレビのロードショーですよね。昔は、とにかくテレビ各局に映画の番組があり、毎日のように色んな映画が観られました。
僕の親は、特段、映画ファンではなかったけれど、それでも家族みんな揃って、お茶の間で映画を観ましたからね。娯楽が少なかったから( ˘ ˘ )ウンウン


日本で1958年の特撮映画というと、「大怪獣バラン」とか「美女と液体人間」などの変身人間シリーズなどが作られていた頃です。
東宝特撮が着ぐるみで作っていたのとは違い、レイ・ハリーハウゼンはストップ・モーション・アニメによる特撮でしたね。


シンドバッドは、もっとヒーローっぽい人かと思いましたが、そうでもなかった(笑)。でも、お話は魔法のランプも出るし、魔人(子供で衝撃www)の名前はジーニーだったので、「アラジン」ベースなんですね。


やっぱりストーリーよりも特撮に目がいく特撮ありきの映画でした。
1つ目のサイクロプスとか、本当に良いよね~。
人を捕まえて持ち上げるシーンとか、見事な特撮。
ドラゴンとの合成もみごとでした。
カラーだから、質感も分かるのでね。

小人になった姫も素晴らしい。

個人的に1番おーっ、すごい!ってなったのは、骸骨とシンドバッドの剣闘場面。別撮りしたもの合成なんだけど、見事な出来栄え。

たまたまこの場面を観てた時、居間に子供らが来て、ちょっと観てたんだけど、年代や合成の仕方を説明すると感動してたもんね。やっぱり説明抜きだと良さが分からない( ¯−¯ )フッ


音楽はバーナード・ハーマン
バーナード・ハーマンといったらヒッチコック監督の作品でお馴染みですが、ヒッチコック作品以外でもたくさん作品を残しています。
今作は冒険活劇らしい曲で、ヒッチコックとも違い良かったですよ( ˘ ˘ )ウンウン



バグダッドの王子シンドバッド
演じるカーウィン・マシューズはそんなに好きではない。もう少しカッコイイ人が欲しかった。


魔術師ソクラはそれっぽくて、まあまあ。
でも、「アラジン」のジャファーくらい悪い顔でも良かったなぁ。


で、1番良かったのが、婚約者であるチャンドラ王国のプリンセス、パリサ。
演じるのはキャスリン・グラントです。
他の作品では知りませんが、今作はなかなかセクシーで、魅力的でしたね( ˘ ˘ )ウンウン




ということで、どこまでもレイ・ハリーハウゼンの特撮を観るための映画。そう思うとかなり好きでした。
お話だけなら3.2くらいですが、特撮加点でスコア3.7ってことで、いかがです?