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レヴェナント:蘇えりし者のcamusonのレビュー・感想・評価

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
4.4
西部開拓時代の骨のあるサバイバル復讐劇。
西部劇と言えば、まずは乾いた荒野をイメージしますが、
そうではなく極寒の雪山を舞台にしているのが新鮮です。

インディアンのテリトリーに入り込んで、毛皮を狩る白人部隊の話。
序盤、インディアンに襲撃を受けて、殺し合いになるところで、
一気に引き込まれます。


そして、主人公のディカプリオが熊(グリズリー)に襲われるシーンがすばらしいです。
日本でも最近、熊の被害があったことだし、時宜を得ているなと思いました。

「熊が襲ってきたらよけるから大丈夫www」とか「パンチで仕留めるからwww」とか、
冗談半分に言ってる人、周りにいませんでしたか?
無理だと言ったところで、聞く耳を持たず、
なぜか逆に謎の上から目線で、自信満々な人いませんでしたか?

そういう人にこそ、まず、熊のスピードをこの作品で体感して欲しいものです。
突撃されたら、まず避けることなど不可能だと言うことを。

それでも、本作品内のシーンは実際に比べれば、かなり甘いと思います。

直撃を受けたら、骨が砕けるか、臓器が破裂するか、
爪がかすりでもしたら、人体など柔らかすぎて、
肉ごと持って行かれて、動けなくなってしまうし、
顔や頭を掻かれただけでも、アウトなはずで、

馬乗りになられたのにもかかわらず、瀕死の重傷程度で済んでいるのが奇跡的です。
主人公が死んでしまったら元も子もないとは言え、ちょっと甘すぎるなと思いました。


話はシンプルで、複雑さなどまったく不要、というかむしろ邪魔という勢いで、
大自然の厳しさと、厳しさ故の美しさを疑似体験させてくれるという点で、
他に類がないレベルに達していると思います。


狡猾な敵役を、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のイケメン主人公が演じていたのには、
まったく気付きませんでした。大したものです。
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