福福吉吉

レヴェナント:蘇えりし者の福福吉吉のレビュー・感想・評価

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
4.0
◆あらすじ◆
19世紀前半のアメリカ北西部、アメリカの毛皮狩りの一団は故郷の帰路についていた。ヒュー・グラスはクマに襲われて重傷を負う。同行は不可能だと判断した隊長のアンドリューはグラスにフィッツジェラルド、ブリジャーそして息子のホークの3人が付き添いとして残ることにした。しかし、フィッツジェラルドの裏切りにより、ホークは殺されてグラスも生き埋めにされてしまう。奇跡的に一命をとりとめたグラスはフィッツジェラルドに復讐するためにボロボロの身体を引きずりながら極寒の大地を行く。

◆感想◆
瀕死の重傷を負ったハンターが執念で息子の復讐を果たそうとする姿を描いており、厳しい環境と重傷の身体に耐え続ける男の執念を感じさせる作品でした。

ストーリーの背景として、19世紀前半のアメリカは先住民(ネイティブアメリカン)と白人の争いが激しく、白人による先住民への蔑視の意識が強くありました。その中で、グラスには先住民の妻との間に息子のホークがおり、それがストーリーに大きく関わってきます。

ストーリーとしては、前述のあらすじが序盤に発生し、それ以降は主人公のグラスが必死に極寒の大地を行く姿が大半を占めていて、とてもシンプルで分かりやすいです。

本作の見どころはグラスが極寒の大地の中で様々な工夫や出会いを通じて生きのびる姿となっており、セリフはほとんど無く、グラスの動きの映像だけで全てを見せていきます。これが冗長でなく、圧倒的な映像の迫力に目を奪われて、最後まで飽きることなく観ることができました。グラス役のレオナルド・ディカプリオの演技から痛み、寒さ、苦しみ、怒りなど全てが伝わって来て圧倒されました。

生きる意志の強さがこれ以上なく伝わってくる良い作品でした。安易に死を選んではいけないというメッセージにも感じました。

鑑賞日:2024年2月7日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
福福吉吉

福福吉吉