まぴお

レヴェナント:蘇えりし者のまぴおのレビュー・感想・評価

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
3.5
【人はなぜ生きるのか?】

あるひ もりの なか
くまさんに であった
はな みず でる雪の みち
くまさんに であった

くまさんの いうことにゃ
プリオさん おにげなさい
スタコラ サッサッサのサ
スタコラ サッサッサのサ

ところが くまさんが
あとから ついてくる
トコトコ トッコトッコト
トコトコ トッコトッコト

プリオさん おまちなさい
ちょっと おとしもの
金色の 像
栄光の オスカー

あら くまさん ありがとう
おれいに うたいましょう
ラララ ラララララ
ラララ ラララララ
ラララ ラララララ
ラララ ラララララ

いやぁほのぼのとした良いお話でした(=´∀`)
え?そんな話じゃないって?

監督の今まで作品と比較するとレヴェナントのストーリー運びは非常にシンプルな作りとなっている。ですが彼の敬愛するタルコフスキー、そしてジャックロンドンの自然の残酷さと人間の残酷さを意識した贖罪を見事に描ききった作品に仕上がってるように思える。

人間は生きる上で食べる、飲む、寝る、そして呼吸をすることが必ず必要になってくる。
普段、私たちはこの当たり前の動作に特別な意識を持つことはない。
朝起きたら普通にご飯を食べて普通に飲み物を補給し夜がきたら眠る。
これは人間が生命を維持する上で最低限必要な欲求だからだ。

開拓時代に海を渡ってきたヨーロッパの白人たちはこの先住民の地を文明で染め上げようとした。
文明と自然が交じり火花を散らす時、幾つもの骨と血と屍が土に還った。

神はただそれをじっと見ていた。

ルベツキのカメラアングルはそのフィルターを通して神がただの1つの感情も見せずに呼吸だけを感じさせるようだ。

雄大な自然は残酷に
そして美しく無慈悲に人間を
そして生きる者を包み込む。
そこに正義も悪もないのだ。

神はなぜ人を創りだし感情を植えつけそしてまた土に還すのだろう。

フィルターを通したディカプリオ演じるヒュー・グラスは紛れも無く自然と同化した獣であり白人の持ち込んだ文明に牙を向いているかのようだった。

「生きる」をテーマにした「オデッセイ」のマットデイモンと今作のディカプリオ対決は菜食主義である彼が臓物にかぶりつき、ネイティブアメリカンの言語を取得し、口から泡を吹き、鼻水を垂れ流し、鬼気迫る表情で迫る演技を熱演したディカプリオの勝利という結果に終わった。

本当はオスカーの結果が出る前に両方観て賞を取るのはどっちだって予想したかったんだけどこの辺もうちょっと日本の配給会社どうにかしてほしい。
そりゃオスカー取ったあとにキャッチコピーでアカデミー受賞!!と出したほうが客とれるのはわかるけどもそんなワクワクを楽しめるアメリカの人たちは本当に羨ましい。

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