せーや

レヴェナント:蘇えりし者のせーやのレビュー・感想・評価

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
3.7
スコセッシ「な!僕じゃなくてアレハンドロの監督でアカデミー!?なによディカプリオ!あんな若造の何がいいのよ!くっそゥ!」

西部開拓時代。
毛皮採集のために極寒の地を旅するハンターたちは
旅の途中でネイティブアメリカンの襲撃に遭う。
命からがら脱出したものの、案内役のグラスが怪我をしてしまい
チームで話し合った結果、彼を置いていくことを余儀なくされる。

実在したハンター、ヒュー・グラスの過酷なサバイバルを描いた実話。

今作で遂にアカデミーを受賞したレオですが
長年タッグを組んできたスコセッシとの映画ではなく
最近話題のアレハンドロ・ゴンザレス…イリャ…イ…
アレゴンとのタッグによる映画。
きっとスコセッシは嫉妬していることでしょう。

「ウルフ・オブ・ウォールストリート」で体当たりの演技をしたのに
アカデミーを受賞できなかったレオは
その鬱憤を晴らすため(?)に今作では激しい演技をしています。
良かったね。とりあえず、おめでとう。レオ。

さて、映画の内容なんですがね。

主人公はヒュー・グラス。
妻はネイティブアメリカンで息子はそのハーフ。
ネイティブアメリカンを「野蛮人」と呼ぶ
白人のハンターチームに所属しています。

彼は地理やネイティブアメリカンに詳しく
その才能からハンターチームの案内役になっています。

人間関係はおおむね良好ですが
チームの一員、フィッツジェラルドとはソリが合わず
常に意見の相違からケンカになっていました。

そんな中、グラスはクマに襲われてしまいます。
極寒の地、未開の地で重傷の怪我人を運ぶことは
当時では非常に困難なこと。

フィッツジェラルドの言葉によって
チームは彼を置き去りにすることを決めます。

そのあと色々あって、
グラスは息子をフィッツジェラルドに殺されてしまいます。
彼は最愛の息子の命を奪った男への復讐のために
驚異的な回復を見せ、そして彼を追うのです。

グラスを置いていったのは「しょうがない」こと。
当時から考えれば、それは不思議じゃない。
フィッツジェラルドの思いもわからなくはない。

それでも、息子だけは殺さずに済んだんじゃないか?
でも、あの状況では仕方なかったのか?

そしてグラスは息子の復讐のために生きていく。

過酷な自然の中で、極寒の地をたった一人で彷徨う。
それがどんなに孤独で、辛くて、絶望的か。
自然の驚異をまじまじと見せつけられる。

そしてテーマは「復讐」
復讐のために生きるグラスだが
彼は復讐を果たした後、どうするのか?
そんな思いが芽生えてきます。

「復讐」というテーマに関しては新しさは無いものの
自然光だけを利用した映像とか、大自然とか
そういった面ではアカデミーも納得かも。

ただただ辛い映像を3時間近くにわたり見せられるので
面白いと思うことは一度もなく
そして終わった後も疲労感とモヤモヤが残る作品。
あんまり何度も見たいとは思いません。

でもこうやって「復讐」のストーリーを見せられていると
だんだんと観ている側も血が騒いでくるのか、
フィッツジェラルドと対面した時には
「もっと苦しませろ!」と思ってしまうのが恐ろしいね。

そこまで思わせるほどの悪に徹したトム・ハーディは素晴らしい。
彼にアカデミーあげても良かったんじゃないだろうか。

個人的には「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のが好きです。
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