すごい映画を観てしまったという印象。
圧倒的な自然。この作品の中での自然は本当にただただ圧倒的で、そして一切の慈悲もない。あるのは美しさと命を奪う猛威のみ。
とにかく1シーン1シーン全てにおいて監督のセンスがギラギラしていている。自然を目の前に人間は弱く脆い存在であるけれど、その自然を美しく感じ美しく魅せることが出来るのもまた人間なんですよね。
灰色がかった色味のない雪山にどす黒い血の赤が映えるシーンも恐ろしくて悲しくて美しい。
そして人間の呼吸と、壮大な自然の音があまりにもクリアに耳に響くので、鳥肌が立って、少し泣きそうだった。
そして俳優陣。これもまた圧巻で、とにかく主演のレオナルド・ディカプリオの「生」にしがみつく演技が凄い。
観てるこちらがドン引きするレベルの凄まじさ。「復讐」という執念に取り憑かれ生かされる男を見事に演じきっていた。
その姿があまりにも痛々しくて悲しいので誰か早く彼を殺してやってくれと思った。それに最後の彼は何を思っていたのかな。
他にもトム・ハーディやドーナル・グリーソン、ウィル・ポールター、フォレスト・グッドラックなどそれぞれが本当に本当に素晴らしかった。
3時間弱ということもあるけど、これは家で観るべき映画ではないと思います。絶対に劇場の大画面がおすすめ。
