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レヴェナント:蘇えりし者のHarioのレビュー・感想・評価

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
4.8
【2016年劇場鑑賞作品35作目】
観てからもうすぐで一年になりそうだったのでやっとまとめた。

初IMAXでの鑑賞!いつもは日本橋が庭の私も珍しく新宿まで出向いた。チケットもオンライン販売開始と同時に中央の席を確保。気合いは十分だ。

IMAXの宣伝映像からもう「おぉ〜!」と興奮。イニャリトゥ監督が2年連続、ルベツキ撮影監督が3年連続のオスカー受賞で期待度高かった今作。イニャリトゥさんは大好きなのでいつも贔屓目ではあるが。

最初から最後まであの過酷な雪山に身を委ね、その映像の美しさと迫力に目が釘付けですごい集中力で2時間半を過ごした。何とも言えない極上の体験をさせてもらった。これを映画館で、IMAXで観れたことは本当によかったと思う。

冒頭から大興奮!何度も何度も涙を流していた(←どこに泣くシーンがあったか?とつっこまれたが…)こんな素晴らしいものを私たちが観れるのは、9ヶ月間極寒の雪山で撮影を成し遂げた監督、スタッフ、俳優たちのおかげだと思うと感謝しかないという気持ちが湧き上がった。製作陣の情熱と狂気を感じる度に震える感動があった。トム・ハーディが耐え切れず監督に「ふざけるな!」とヘッドロックをかました逸話なんかもあったみたいだし。そういうのも含め愛すべき映画だと思った。

物語に巧みな構造がある訳でないのでつまらないと言う人もいるが、私は断然支持派だ。この何時間でも観ていられる美しい山と森と雪。

今作で念願のオスカーを手にしたデカプーさん!本当におめでとう〜。置き去りになってからのセリフのほぼない孤独の演技が素晴らしかった。私はリラックスして集中して心地良く観ることができた。そしてもう一人、ドーナル・グリーソンが演じた心清き隊長が素敵だった!この後に彼の出演作をいくつか観ることになったが、注目の俳優さんだ。

この映画を観た後にAmerican Human Association について調べた。いつも映画のクレジットの最後の方に出るその団体のロゴを確認することができなかったからだ。見落としのかと思い、2回目の鑑賞でも目を凝らして見ていたがやはりなかった。ということは、あの馬でビバークやバッファローは本物⁈とは思わないまでもAHAの監視を入れないという事は、"No Animals were harmed in the making of this film." ではないのかもしれないと思った。気になったのでそれに関する記事を見つけて、読んでみるとAHAはただの建前なんじゃないかと思えてきた。あのロゴを映画の最後に確認することによって私たちは都合の良い安心感を得ていただけなのかもしれない。人間が映画という芸術(もしくは娯楽)を作るために犠牲にしている動物を一応気遣ってますよという建前なのかと感じた。AHAを介入させなかった事で、レヴェナント製作者側はその無意味な建前を取り払ったという事なのか?

2回目の鑑賞は、日本橋にてTCXで鑑賞したがやはりIMAXには及ばなかった。きっとお家でBlu-rayなどで観てももうあの初見の感動は味わえないのかな…。少し悲しい。

余談: 1回目の新宿での鑑賞は元夫と一緒だったのだが、どうも後ろの輩に何度も席を蹴られていたらしく帰り際に注意をしたら、少しケンカみたくなってしまった。人と対峙する事が苦手な彼が他人に文句をいうなんて、よっぽどだったんだなと可哀想になった。足の組み替えなどで無意識に前席に足を当ててる人に私もよく遭遇するので、もう少し気を使って欲しいものだ。本当に迷惑!
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