幽斎

13の選択の幽斎のレビュー・感想・評価

13の選択(2014年製作の映画)
4.0
オリジナルはタイ産で2006年に公開された「レベル・サーティーン」、恐らくタイの映画を見たのはコレが始めてと思うが、素晴らしい着想でハリウッドで作ったら面白そうだなと思ったが、ホラー界の安心印Jason Blumも同じ事を考えたらしく、月日は経ったが無事リメイクされた。

オリジナルはタイ産らしく日本人の私達には生理的に受け入れ難いシーンも有るが、本作では物語の骨子は変わらないものの、(これでも)より上品な脚本に変更されてる。それでも食事中に観る事はお薦めしない(笑)。主人公の成長と、賞金に目が眩んでいく人間の愚かさとのバランスが上手く描かれてる。

人の良さだけが取り柄の主人公をMark Webberが上手く演じてる。タイ産に無い彼を追う刑事を名脇役Ron Perlmanが演じてる。物語は「SAW」の様に課題を良心の呵責に苛まれながらクリアしていく、まるでR指定のゲームを観ている感じで13のミッションが出てくる。意外な人物が本筋に関わっていくなどスリラーとしての面白味も有るが、本作ではより主人公の社会的背景だったり家族との関わりなどが深く掘り下げられており、単なるホラーとは違う視点から描かれてる点が秀逸。自分ならどのレベルまで行けるかなぁ・・・と大いに考えさせられる。

スリラーで大事なのはラストの描き方ですが、タイ産はエグさが際立つ仕上がりでR-15指定だが、本作は最後まで見て良かった・・・と思える終わり方をする。最後の奥さんの台詞はグッとくるものだった。因みにUS版Blu-rayで再見したが、此方には別のエンディングも収録されてる、タイ産に近いオチだった。

正式なリメイクだが、初めて観る方はまずタイ産を観て、オチが分った上で本作を見る事をお薦め。深夜にたまたまテレビでやってて結構面白かった位のノリで観て頂くと良いかと。これを日本で作ったらどうなるか、考えながら観るのも一興です。
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