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ロビンソン漂流記のmareのレビュー・感想・評価

ロビンソン漂流記(1954年製作の映画)
4.0
ブニュエルこんなのも撮れるのかって思わされる純粋な冒険映画でかなり面白い。それにしても彼の多彩な作風、引き出しの多さに驚く。タイトル通りロビンソンクルーソーの生き様、無人島にたった1人で漂流、そこから数年間孤独な生活を過ごしていく。淡々と一人の男が生き残りを賭けたサバイバルに始まり、やがて島の長として動物たちと戯れながら、一つの文明を築いていく様は心が躍る。しかし全てを手に入れたかに見える彼には最初から孤独が付き纏う。誰もが持っていて彼だけが唯一手にしていないもの、無性に誰かの声を聞きたくなる苦悩に苛まれる。充足感の中で押し寄せるとてつもない空虚さが渦巻く。そんな矢先に訪れる思いがけない出会い、緊張と展開の連続にやられる。ブニュエルとしては異色だが終始エンターテイメント溢れる傑作。
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