菩薩

ロビンソン漂流記の菩薩のレビュー・感想・評価

ロビンソン漂流記(1954年製作の映画)
3.5
宗教は孤独な人間の心の隙間に入り込みはすれど肝心な時に人を救う事はない。孤独に喘ぐロビンソンの前に突如欲したいはずのそれは現れるが、最初は未知故の恐怖となり、頭を踏みつけられる存在であると知れば使用人として使役しながら最終的には足枷を嵌め奴隷にまで落とし、文明の傍らには常に侵略と支配と搾取とがあった事を思い出させる。それでもなんとかこの冒険譚を脱出へと導く為に、彼等の関係性は有情へと変化し、後にやってくる次なる支配者達に対してはその行為の醜さを突き付ける。そこにこの漂流にてロビンソンが学び取った物の全てが凝縮されていく。長年連れ添ったイッヌが死ぬとこは普通にこっちのメンタルも削られる。
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