カフェポタリスト

ロビンソン漂流記のカフェポタリストのレビュー・感想・評価

ロビンソン漂流記(1954年製作の映画)
3.0
ルイス・ブニュエル、メキシコ時代の「ロビンソン漂流記」がDVDで出ていたので早速、観賞。

初のカラー作品だというが、ところどころ退色しているのか、パテカラー独特の色なのか、あまり良くない。しかし、海と無人島の描写がたくみで自然の中に取り残された感じがよく出ている。この毒々しい色彩は同時期の「この庭に死す」でも見られたものだ。
時々、島にやってきて食人をする人喰い人種は、いかにもな設定で、原作にあるとはいえ類型的。
昆虫や小動物の使い方が上手いブニュエルだから、この環境なら、さぞや表現のしがいがあるのでは、と思いがちだが、あれは適材適所に時々使うのが効果的なのであって、この大自然の中では埋没してしまっている。

総じて、メキシコ時代のブニュエルにありがちな、造りの粗いもので、やや物足りない。