ジャイロ

ロビンソン漂流記のジャイロのレビュー・感想・評価

ロビンソン漂流記(1954年製作の映画)
3.8
原作正式タイトル

『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』

略して

『ロビンソン・クルーソー』

『ガリヴァー旅行記』が可愛く見えるほどの長さ。寿限無寿限無といい勝負。唯一心配だったのは、監督がルイス・ブニュエルということです。まるで昨日のことのように甦るレタスの記憶。大丈夫かな…



始まりの雰囲気は良し

でも船造るの大変だったんだろうね

難破した直後から物語は始まります。

熱帯ジャングルのような島に流れ着いた主人公

まずは水と食料だ

木の上に運良く鳥の巣を発見。そこからひとつ卵を拝借。

🥚

上だけ割って、すするように飲もうとします



ここでまさかのひな鳥出現


🐣


🐤


🐥


シュールだ…

そしてこのひな鳥、まさか丸飲みしちゃうのかー?

頭からバキバキに食べちゃっても、この監督ならおかしくはないと思っちゃうから『アンダルシアの犬』の印象強すぎ。

ドキドキした。



そんなこんなの無人島生活

DIYはもちろん、農耕や酪農、果てにはろくろまで回したりして、とにかくなんでも一人で出来ちゃう。ペットも充実してるし、何よりも居住性が快適。ナスDよりもすごい。

意外にも出会いと別れもあったりなんかして、ストーリーはテンポよく淡々と進んでいきます。でもよく考えたらすごい時間経ってるからね。5年とかがあっという間。充実した生活のように見えて、月日だけが残酷に過ぎ去っていきました。

彼が戦っていたのは「時間」と「孤独」でした。

『キャスト・アウェイ』のトム・ハンクスは4年だったけど、こっちは怒濤の28年。

ちょっとした懲役28年

正確には28年と2ヶ月と19日

長すぎ

脱出の際は、レックスの魂も一緒に連れ帰って…

くれてるのこれ?

置き去り感が半端ないんだけど…

ちょっと心配

それにしても、ルイス・ブニュエルさんにしてはあんまりぶっとんでませんねえ。ちょっと肩透かし。苦労するシーンが大分はしょられてるから、リアリティは『キャスト・アウェイ』に軍配が上がりますが、ひな鳥やアリ地獄、足あとひとつのシュールさなんかは、なんとも言えないものがありました。意外とドラマチックな展開もあって、これはこれで面白かったです。