NaoyukiSakuyama

JIMI:栄光への軌跡のNaoyukiSakuyamaのレビュー・感想・評価

JIMI:栄光への軌跡(2013年製作の映画)
1.5
ラヂオもりおか音楽映画祭開催中の盛岡アートフォーラムにて、「ジェームズ・ブラウン 最高の魂を持つ男」(以下 JB)を鑑賞した翌日に鑑賞。

JBでは幼少期からおっさん期まで、幅広い時間軸を行ったり来たりしながら物語が進むのに対して、Jimiではアメリカでヒットする直前の短い期間を映画にしている。JBの構成は長く感じてしまったので、Jimiの会話で生い立ちや環境を説明する手段は嬉しく思いながら見ていた。でも気がついたら映画は終わっていた。誤解しないで欲しいのは、マッドマックス的あっという間とは全然違うということ。だって、自分の感情が変化を起こす前にエンドロールになっていたから。

「ジミヘンがアメリカデビューする前の話」だと知らなかった自分は、てっきり彼の伝説的なあのパフォーマンスが観れると思って楽しみにしていた。実際再現してた有名なパフォーマンスはひとつくらい。映画はWoodstockの直前で終わってしまい、"the star-spangled banner"を楽しみにしてた自分にとっては「あれ…終わり?」って感じ。これに関しては事前に調べなかった自分が悪い。しかし普通に映画として見ても、作中盛り上がるような場面は、少なくとも自分は見つけられなかった。見終わった直後の感想は、ロックを好きじゃ無い人は門前払いな映画に感じ、「知らない自分が悪いのかな?」と考え込んでしまう。

女性が主人公でもあるかのような作りから、この映画で見せたいのはジミヘンと女性の物語のように感じる。でも、ジミヘンが業界の天才や観客に認められていく実績が、女性との関わりが原因なのか、ただ才能が認められただけなのかがイマイチ伝わってこない。だから見ている自分としては、「栄光への軌跡」とは別の話として女絡みの物語が展開してて、「実はジミヘンって女に優柔不断で、だらしなかったんですよ〜。世界を変えた天才も、そこらへんのヒモと変わらないですね!」って言われている気がしてくる。実際、映画のジミヘンにはイライラさせられたし。

GojiKawaiさんのレビュー曰く、映画の権利問題でジミヘンのオリジナル曲が使えなかったらしい。ただでさえ知っている曲も少ないロック弱者の自分にとって、彼の有名な曲が聴けないのは唯一の頼みの綱が切れたようなもの。自分がこの映画に乗り切れなかったのにも合点が行く。「この映画を機にロックを勉強しよう!」とか言ってベストアルバム一つ買ったくらいじゃ全くついて行けない映画。まず曲を聴いて、有名どころの和訳を覚えて、ドキュメンタリーを見て、ついでに当時の音楽業界の有名人をある程度理解して、そしてやっとこの映画を楽しめるのかな?って感じ。

当時を生きた人、詳しく知っている人には楽しめるかも。
ロック好きなら見てみるのも良いかもね。
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