B姐さん

JIMI:栄光への軌跡のB姐さんのネタバレレビュー・内容・結末

JIMI:栄光への軌跡(2013年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

『レイ』とか他のミュージシャン映画と比べると恐ろしくジミ。いやオヤジギャグではなく本当に地味。ドラマ性皆無。
ジミヘンのことや、この時代の音楽状況など全く知識のないひとには地獄のように退屈と想像する。「イモージェン・プーツって市川紗椰にそっくりだなあ」とボンヤリ観ていると思う。

しかしこれが中々良く出来ていて、「あーこういう風にきたかー」と唸らせる作劇。凝った衒いがあるものの、センスがいい編集。そして「モンタレーに出演するまでのジミ」という切り取り方がいい。かっこいい。
クラプトンが楽屋に逃げ出すくらい、A・ベンジャミンのなりきりジミヘンはすごい。ライブアクトから、普段のボンヤリぐあいまで完璧。なりきりエクスペリエンスもいい。

たしかに、ジミの周りを色んな人達が出たり入ったり、グルグル回っているだけの話なので「地味」「退屈」という批判はすごくわかる。激情型の傾向はあるが、普段はピースフルでボンヤリしてるだけだし。ギターは昔からうまく、成り上がりものでもないし。
ただ「巨大な才能って他人がほっとかないし、ほっとけない」という映画だから、周りを色んなひとが終始ドタバタするのはしょうがない。

映画を観終わった後「モンタレー・ポップ・フェスティバル」のドキュメンタリーを観ると感慨深い。
世界的に認知される決定的瞬間が見れるのだが、そこに映っているのは、いつも通りのジミ・ヘンドリックスだ。
それは世界がようやく彼にキャッチ・アップした瞬間でもある。

@目黒シネマ(9/10/2015)
https://youtu.be/GGx4YLu9QHs?t=49m36s
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