アロー

Mr.ホームズ 名探偵最後の事件のアローのレビュー・感想・評価

3.0
泣いた。ていうか、媒体を問わず何らかのホームズ作品にハマってる人は泣けると思う。私はこれまでカンバーバッチ版とダウニー版を観てるんだけど、どっちのホームズに当てはめてもめちゃくちゃ感動した。
かつて助手のワトソンと共に活躍していた天才ホームズが、今やひとりぼっちで体も満足に動かず記憶も薄れている。この描写だけで胸が締めつけられるし、天才ゆえに人の気持ちが分からず、それが不幸な出来事に繋がってしまうという描写もつらかった。不謹慎だけど「今すぐホームズを死なせてあげて」と何度も思った。

劇中の60代のホームズと90代のホームズは両方ともイアン・マッケランが演じてるんだけど、この描写も地味に胸に刺さった。そうか、人間って60歳でもそこそこ高齢だと思ってたけど、そこから軽く30年は生きられるのか…。なんか、人生でヨボヨボな時期って10-15年くらいかなと思ってたけど、お年寄りになった後も人生ってそこそこ長いんだな…。私自身、90歳まで生きるなんて正直めんどくさいと思ってるので、ちょっと絶望した。せめて健康寿命は長くありたい。これからも映画をいっぱい観たいしね。

途中で出てくる日本の描写とか、事件の謎は正直わけわからんかったけど、ホームズの人物描写はマジですばらしかった。このホームズがどうか幸せに死ねますように。


あらすじ:ワトソンと別れたのち、穏やかな晩年を送るシャーロック・ホームズ。しかし彼の胸には、引退のきっかけとなった30年前の事件が暗い陰を落としていた。死ぬ前にこの事件のことを記録するため、ホームズは薄れゆく記憶をたぐり寄せていくが…。
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