二次創作物というと、コミケで売られているような薄い本を想像しますけど、ふんだんに金をつぎ込むとこういうのが出来上がるんでしょうねきっと。
「日本よ、これが二次創作だ」
ま、製作費以外大差ないなと思いますけどね。
90歳を超えたホームズが世に知れたホームズではなくなった、すなわち「探偵をやめたキッカケとなる事件を回想する」という物語なので、「最後の事件」に挑む話でもなんでもないのは勘違い邦題でよくある話。
高齢となった設定のホームズを主人公に据えるからには、やはり年の功的な推理が見たいところですが、普通の人間ドラマにしてるあたり流石は二次創作。
ともすれば現役時代ですらいちいちウザい感じがしなくもないホームズさんですが、年をお召しになり更に拍車がかかってるあたりは面白いというか、ほぼ老害といえなくもないシーンが多々ありまして。
逆に言えば、そんな老齢で若干痴呆の入ったホームズを演じたイアン・マッケランさんの演技は抜群で、「きっとこんな感じだったかもしれない」という雰囲気を醸し出していてお見事です。
一応これでもシャーロック・ホームズ好きなんで、なんというか切ない感じがちょっと嫌。
ホームズじゃなければ良かったのですが、ホームズでなければ成り立たないというジレンマ。
ただ「最も肝心なことが、どうでも良いことの陰に隠れてしまっ」ていると思い込んでるだけなのかもしれないねワトソン君。
