三隅炎雄

鞍馬天狗 青胴鬼の三隅炎雄のレビュー・感想・評価

鞍馬天狗 青胴鬼(1952年製作の映画)
4.0
誘拐された倒幕派の公家を救出せんとする鞍馬天狗の前に、不気味な仮面の青銅鬼軍団が立ちふさがる。名作『鞍馬天狗 大江戸異変』(別題:角兵衛少年と天狗騒動)のような意欲的内容ではないものの、端正で美しい演出、アラカンの鬼神のごときアクションに全編目を奪われる。空間を活かした洞穴での乱闘、近藤勇=大河内傳次郎との息詰まる決斗。本作も大変優れた一級の娯楽時代劇だ。ソリッド、クラシカル。並木監督は生前最後の『花嫁吸血魔』がトンデモ映画として変に人気があるせいで、演出家本来の実力が顧みられないのが何とも歯がゆい。アラカンが何故大衆に愛されたのか、この映画を見ればよく分かる
三隅炎雄

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