ますお

ナショナル・シアター・ライヴ 2015「ザ・オーディエンス」のますおのレビュー・感想・評価

5.0
「スカイライト」と同じく場面が一切展開しない。
首相と女王のThe Audience=謁見の際に使われる一室のみで話が展開していく。変わっていくのは女王即位以降の時代と首相、そして女王のアピアランスのみ。

ヘレン・ミレンの演技力と表現力の素晴らしさに異を唱える人はいないとは思うけれど、彼女を支える舞台裏の人達のアイデアや努力も唯一無二な舞台だったのだと幕間のショートフィルムで実感させられた。
もちろん周りのキャストも盤石な実力派ばかり。
日本に来た映画の中で言うと、キャメロン前首相役のRufus Wrightが007/Quantum of Solaceに出ていたのが記憶に新しい。

脚本も非常に巧みで、2,3度ウィルソン首相とのやり取りを挟む事で観客の知らぬうちにウィルソン首相と女王は友好関係を築いている。
ウィルソン首相と女王の最後のやり取りは、この2人の仲の良さを気づかされると共に、女王ではなくエリザベス個人の気持ちが垣間見えて泣ける。と言うか泣いた。

シューティングの翌日にキャメロン前首相が鑑賞に来ると話していたが、彼は劇中の本人をどう捉えたんだろう、とチョット気になった。
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