佳子

陽のあたる教室の佳子のレビュー・感想・評価

陽のあたる教室(1995年製作の映画)
3.8
あなたはやりたかった仕事ができていますか?
なりたかったものになれましたか?

大学生の頃は、将来自分が教師になるなんて夢にも思わなかった。中国語を生かして旅行会社に勤められたらいいな…とか思っていたのです。
が、超就職氷河期の中なんとかひっかかったのは金融業。社会人3年目結婚し、子供ができ、幸せな主婦になろうと退職したその一年後に離婚しました。無職で乳児を抱え途方に暮れた私が子供と共に生きる為に選んだ道が公務員である教師だったのです。バイトしながら通信教育で免許をとりました。はじめは時間講師。主人公と同じで、ただ生活の為の選択。気高い理想や夢があったわけではありませんでした。

でも。
15年間、自分の子育てもしながら、学級の子供達と向き合い、日々葛藤し行動してきたことで生まれた思いや、手に入れた大切なものが沢山ある。
私はやりたかった仕事にはつけなかったけど、それで良かった。
人は、置かれた場所で一生懸命になる事で、そこが大切な場所になるのだと思う。
あと15年後、30年この仕事をした後私の陽のあたる教室に辿り着けるだろうか。
佳子

佳子