チッコーネ

美少女プロレス 失神10秒前のチッコーネのレビュー・感想・評価

美少女プロレス 失神10秒前(1984年製作の映画)
2.5
通常のロマンポルノに「プロレス」という設定が混ざった企画もの。
もともとアクションカメラの宝庫である女子プロのアングルを活用した場面、「しごき」設定におけるパゾリーニばりの隷属演出、そして主演女優ふたりのヒット路線を引き継ぐレズ場面などが、バラエティ豊かに盛り込まれている。

個人的な鑑賞目的は、元全女の佐藤ちのが出演する物見高さにあった。
試合場面での豊かな表現力は、さすがという感じ。
彼女は本作のファイティング・ディレクターも務めており、ほとんど受け身がとれない女優たちを豪快に投げ飛ばしている。
カウガールスタイルも非常に絵になっていたが、濡れ場にはノータッチ。

なお本作の制作は1984年。
佐藤ちのが現役時代にペアを組んでいたミミ萩原が引退し、マニッシュなクラッシュ・ギャルズのブームが本格化した年にあたる。
その意味で時代に逆行するコンセプトの作品だが、大学構内から下町の商店街、そして青山あたり(もしかしたら千駄ヶ谷)のブティックを活用するロケ場面は、80’sの空気を豊かに伝える。

メインの男優はガリガリで、肩甲骨の浮き上がる裸体が痩せぎすの老人のようで気持ち悪い。
しかし本作にはひとりだけ、ガチムチヒゲの男優が混ざっていた。
道場での乱交場面では、後背位に臨む彼の肉厚な背中やお尻もしっかりチェック可能。
ちょっとムラムラした。
その意味では女体に興味のない私が、ポルノ本来の楽しみを、わずかに享受できた作品と言えるかも(笑)。