カッチェ

アナベル 死霊館の人形のカッチェのレビュー・感想・評価

アナベル 死霊館の人形(2014年製作の映画)
3.2
感想①「死霊館に繋がるお話」
死霊館のスピンオフであり、その前のお話を描いているので初めて観る場合はアナベルから観た方が分かりやすいです。冒頭のウォーレン夫妻に相談者がアナベル人形を預けに来るシーンは死霊館と一緒。こちらの作品ではウォーレン夫妻の姿は映りませんが。他にも映画の雰囲気は死霊館と似てますし、赤ちゃん用おもちゃのメリー(天井から吊るすタイプのガラガラおもちゃ)から聴こえてくるのは死霊館で登場したオルゴールと同じメロディだったりして面白いです。

感想②「ジッとしてるアナベル人形が何より一番怖い」
実際のアナベル人形は布製で可愛らしい見た目の抱き人形です。映画に登場するアナベル人形は陶器で出来ており顔が何より怖い。顔アップシーンが多いんですけど、動いたりしないのに映るだけで怖い。出産間近の妻ミアの為に、彼女がずっと探し求めていたアンティーク人形をプレゼントした夫のジョン。それがアナベル人形です。ミアの趣味が良いのか悪いのか、新しく産まれてくる子供のための部屋は人形だらけ。絶対に呪われてるようにしか見えないアナベル人形を笑顔で受け取るミアが怖い。

感想③「死霊館に比べると怖くない」
スピンオフということで、どうしても比較してしまいますが、内容的にも薄い感じがしました。またカルト集団や悪魔崇拝などの話が主軸のため、ホラー映画にしては怖さの演出よりも陰湿さが勝ってしまった印象。
ただアナベルさんの顔は映画史に残る怖さ。「チャイルド・プレイ」のチャッキーは可愛さがまだあるのにアナベルさんは恐怖そのもの。チャッキーや他のホラー人形映画とは違い、アナベルさんはほぼ動かないところも斬新。あと個人的に一番ハラハラしたのは、何度も登場するミアの超速ミシン裁きシーン。ミアの何が怖いってミシン使ってるのに集中しないで、すぐにテレビ観ちゃうところ。趣味なので何回もミシンのシーンがありますが、テレビを消しなさいってその度思いました。

感想④「精神病扱いされなかった」
今回は監督ではなく製作ですが、ジェームズ・ワン関連の作品と言えば大体の女性主人公が霊現象に悩み、それを相談した家族に頭がおかしくなったと思われるパターン。ミアも最初は夫のジョンが医師ということもあり、出産や育児でナーバスになってるだけと思われます。ですがジョンは献身的で、ミアを責めることもなく理解して信じようとしてくれるので観ていてイライラせずに済みました。ただ捨てろと言われたアナベルさんを、家の裏にあるゴミ箱に簡単に捨てるのはやめなさい。日本なら供養でお焚き上げするレベルなのに雑にポイっと捨てるのはやめなさい。

感想⑤「赤ちゃんが天使すぎる」
ミアとジョンの娘リア。ミアとリアで名前がゴチャゴチャするし、ミア役の人の本名がアナベルなのでアナベル人形と同じ名前でゴチャゴチャするこの映画。そんな話はさておき、とにかくこの赤ちゃんリアが可愛すぎる。アナベルさんの顔に恐怖を抱き、その後リアの天使シーンで癒される。もうね、ずっとニコニコ笑顔なんですよリアちゃん。ジョンが話しかけたらニコって嬉しそうにして、ミアがこっちおいでと言うとちゃんとお母さんの方に両手を差し出すんですよ。怖いシーンがあってもお母さんが駆けつけると嬉しそうに笑うし、この3人が本当の家族に思えました。
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