松島百景

ニュースの真相の松島百景のレビュー・感想・評価

ニュースの真相(2016年製作の映画)
3.8
それまで当然のように扱っていた事象が、突然自分に牙を剥く・・・。
この映画に興味を持った時点であらかたの内容はわかってしまっているんですが、それでも「その瞬間」が訪れなければいいのにとドキドキした。
シレッとやってくる、身から出た錆。

ネタが近い「スポットライト」と比べるとシナリオの地力では劣るものの、地味だったアカデミー賞脚本賞作品と比べ、ロバート・レッドフォードとケイト・ブランシェット押しのこの作品の方が圧倒的にドラマ性に溢れています(ゆえにかなり作為的だなとも思いますが)。

というわけで、何かが暴れる映画ばっかりで辟易してて知的なエンタメを求めている方にオススメ!劇場でどうぞ!

FEA!!

以下駄文。

原作がケイト・ブランシェット演じる女プロデューサーの著書なようなので、どんだけ控えめに見ても美化しているのは仕方なし。
そこを差っ引いても、この映画は面白い。何故なら、作品全体に「真実」がちりばめられているから。

第一、実際の報道やあらゆる記事だって、額面通りに受け取ってはならない。そこにある真実を嗅ぎ分ける必要がある。この映画だってそうだ。

クライマックスのケイト・ブランシェットの独白にはシビれたなあ。何度もうなずいてしまった。ほんと、この映画、みんな見るべきだと思います。

(2016.8.8. 日比谷シャンテにて鑑賞)
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