綾

アイ・オリジンズの綾のネタバレレビュー・内容・結末

アイ・オリジンズ(2014年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃ好きでした…… 今まで知らなかったのが勿体無いくらい。

私も魂のようなもの、神のようなもの、輪廻や業のようなものはあるんじゃないかと思う。無宗教者やけど、無神論者ではない。でも、それらは私たち人間には想像もできない形であるんやろうなあ、とは思っている。

目。魂の窓。虹彩が生まれ変わりの目印になるって、ありそうで観たこと(読んだこと)ないストーリー。すごく素敵やった。


イアンとサロミナ(ソフィ)のラストはものすごく心温まったけれど、エンドロール後の映像にじわじわ怖くなった……

もし、前世や生まれ変わりのようなものが本当にあるとして。やっぱりまだまだ人間はそれを知る準備ができてないよなって。自分がガンジーやマザーテレサの生まれ変わりと知ってしまったら、本人は、周囲の人は、受け止めきれるのかな。あるいはヒトラーの魂やとしたら……?

個人としても。私ならきっと、昔愛した人たちに会いたくてたまらなくなってしまう。今、この人生を生きられなくなってしまう。そんなん、せっかく今この瞬間を、私として生きてる意味がなくなってしまうよね……

(本当にあるのかもわからない)前世に関してだけでなく、科学と精神の成長スピードってやっぱり同じでないとだめやなともつくづく。「神になろうとするのは危険よ」は本当にそう。遺伝子操作で目を与えるのも危ういよね…… 私たちはまだまだ未熟で野蛮やから。現実世界でも、科学と精神の成熟度合いがどんどん乖離していってるようで不安になる。


サロミナがエレベーターを怖がったの(ソフィの前世のせいと明言はされなかったけれど)、たしかに好きなもの嫌いなもの怖いもの得意なものって持って生まれたものやなあとふしぎに思った。映画版キンキーブーツの、I can't change what I want. を思い出して、そういうのもなんだか神秘的やなあって。

生まれてすぐの赤ちゃんは記憶テストの結果が良さそうやのにサロミナはそうでもなかったの、イアンの顔色を伺いながら正答率が落ちたり、この世界の見方・価値観に染まりながら少しずつ忘れていくのかなって感じたりして面白かった。あえてグレーのままにしておく、という意味でもよかった。やっぱりサロミナ = ソフィになってしまったら、サロミナとして生まれてきた意味が感じられなくなってしまうから。

イアンとソフィだけでなく、イアンとカレンだってご縁があるんじゃないかという感想を見かけて、本当にそうやと私も思う。

あとソフィの言った、ミミズは光を感知しないけれど…… の話はインターステラーのアメリアの台詞を思い出したな。

それに人間なんかより、馬や犬や猫や鳥やイルカや木や植物や…… の方が、たくさんのことを知ってるし、感じてるし、ある意味では賢いんじゃないかって、私はいつも思ってるよ。

ああ、いくらでも語れちゃうのでこの辺でおしまいにしときます。笑

大大大好きでした。また観ます。



せっかくなので、思い出したことメモ ✏︎

・「インターステラー」アメリアの台詞。Love is the one thing we're capable of perceiving that transcends time and space.

・大好きな「クラウドアトラス」

・「七つの贈り物」のラストシーン。小学生の頃たまたま観て、多分よくわかってなかったはずやのに突き刺さって忘れられなかった目のシーン。

・エンリケ・バリオスのアミ、たしか三作目にあった宇宙人の話。かれらに前世の記憶があって、地球人にはない理由。私たちは執着やエゴをまだまだ手放せないから。

・「ぼくの地球を守って」神の存在を否定したくて、己の尊厳を守りたくて、科学を突きつめれば突きつめるほど、神を否定できなくなっていくという話。

・「太陽の子」修にいちゃんの原子の話。「原子は世界を循環してる」「原子は死なへんのやね」
綾