爆裂BOX

Dr.チョッパーの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

Dr.チョッパー(2004年製作の映画)
3.5
永遠の若さと命を手に入れる為、天才形成外科医Dr.チョッパーは若い男女を攫いその肉体を切り刻んでいた。警察の手が及ぶも、チョッパーは手下の看護婦二人と行方をくらまし…というストーリー。
革ジャン姿で改造バイクを飛ばし獲物を狙う殺人医師を描いたスラッシャーホラーです。当然ながらあのトナカイとは何の関係もありません。後、珍しく原題通りのタイトルなんですね。
事件から20年後、湖畔の山小屋に若者達がバカンスに訪れるが、そこは自らの肉体を生き永らえさせるため若い男女を狙うDr.チョッパーの狩場だった、という内容です。
アルバトロス・コア配給という事でしょうもないバカホラーだと思ってましたが、意外と真っ当なスラッシャーでしたね。「湖畔のコテージを訪れた若者達が殺人鬼に襲われる」というありがちなストーリーですが、殺人鬼キャラは一風変わってますね。
タイトルにもなってる殺人医師Dr.チョッパーは白塗りでゴーグル付きの黒マスク被って、黒い革ジャン着てチョッパーバイク(改造バイク)乗り回しながら、若者達をチョッパー(切り刻む)するという正しく名は体を表すな殺人鬼ですが、御年87歳の老人という設定も新鮮に感じます。永遠の若さと命を求めて若者達の臓器を移植しています。山小屋のドア蹴破って襲い掛かったりパワフルな所見せますが、やはり老体だからかあまり暴れまわりません。犠牲者調達してくるのは専ら手下で愛人でもある看護婦二人ですね。20年前は胸元開いたミニスカナース服にオーバーニーソックスというセクシーな格好で出てきますが、現在は普通の格好でゾンビみたいな顔で出てきます。人肉食ったりもするから本当にゾンビなのかな?
予算の関係か体切り刻んだりするシーンは画面外で行われて直接的なゴア描写が無いのはやっぱり物足りないですね。
登場人物たちのキャラも際立ったものがなく薄めではありますね。ジョックスっぽい格好だけど詩を朗読したり怖がりなジムは他の面々より印象には残ったけど。ニックはイケメンだけど、やたら昔のこと引きずってる女々しくてうっとおしい性格でしたな。後、男連中みんな弱すぎ。あんな年寄りたちにボコボコにされるとは。
主人公格っぽいコスタス・マンディロアが演じる森林警備員が昔の恋人を亡くした過去とか割と尺とって意味ありげに描かれるけど特に物語に活かされてないし、若者達の友情が妙に熱く語られたりしますが、それも意味あったとは思えませんでしたね。そんなこんなでチョッパーが若者達に襲い掛かってくるの中盤くらいと遅めではあるんですが、犠牲者要員のレズカップルや女子寮の入会儀式の試練の為に森訪れた女子連中などが殺されていくので個人的にはそんなに退屈せずに見れましたね。新人森林警備員とかもっと物語に絡んでくるかと思ったらアッサリ犠牲者になったのは拍子抜け。
チョッパーの協力者が明らかになる所は、まさかそんな展開入れこんでくると思わなかったのでちょっとビックリしました。考えてみればわかりやすい伏線張ってたし全然予想できる展開でしたが。協力者は純粋に金目的だったんだな。後、ヒロインへの愛情は本物だったみたいですね。
新人殺されて慌てて逃げ出したり、小屋で泣きながら自殺しようとしたりと情けなかった森林警備員の覚醒も唐突だったけど、死ねないなら逆に殺っちゃらあ!と逆ギレみたいな感じで覚醒したのかな。満を持してチョッパーとの対決始まったと思ったらアッサリやられたのは流石に笑った(笑)切り落とされた手首にアタッチメントみたいにナイフつけたチョッパーはいい感じでした。
このタイトルとジャケットとアルバトロス配給という事で全然期待せずに見たからか、思った以上に楽しめた作品でした。