実話ではなく単なる「うわさ話」を元にして作られたフィクション。
オープニングに余計な「実話をもとに・・・」とか入れなければ素直にクライムアクションとして観れたのに、残念。
映画としては普通に盛り上がるクライム物で、「ざる」の刑務所もすごいが賄賂や汚職で腐敗しきっている社会もすごい。
ドゥテルテ大統領が怒るのも分かるってもんだ。
脚本の出来が良くて、後半のストーリー展開はレベルが高く良い余韻を残している。
特に行き場の無くなった主人公が弟子を倒すところは、普通なら逆に老兵を若手が始末って伏線からも考えてしまうが、意外で味のある展開。
惜しいのはあの証拠の音声が入ったスマホに落ちを付けていない所。
それを使い将軍を失脚というのはベタなので、殺人現場の遺留品として警察の保管庫に入れる手続きをしている横を、免職になった刑事が知らずに通り過ぎる・・・ぐらいは入れてほしかった。
続編も出来たようだが、今作の続きではなくまったく別の話らしい。
ハリウッドリメイクも進行中のようで、見比べても楽しめそうだ。
フィクションとしてはレベルは高いが、ポリシーに反するところがあるため低得点とさせていただく。
余談。
wikiより
「オン・ザ・ジョブのインスピレーションは、再収監される前に契約殺人を犯すために刑務所から一時的に釈放されたと語ったViva Filmsのクルーの話から来ています。」
Viva Filmsって会社の社員が
「刑務所の囚人が殺し屋やってるらしいぜ!!」
って話から作られた作品で、事件になったとか逮捕者が出たって事ではない。
裏付けなど取れるわけもなく、フィルム会社の社員の噂話に対して「実話をもとに」などとテロップを入れてはいけない。
ここら辺の意識の低さに社会的精神年齢の低さが表れてしまう、ってことだな。