劇場版 稲川怪談 かたりべのmidoredのネタバレレビュー・内容・結末

再現ドラマ撮影中に稲川淳二とアイドルグループが怪異と出会うモキュメンタリー。ですが、単なる心霊ドキュメンタリーではなく、全国ツアー「稲川淳二の怪談ナイト」の常連さんになるくらいのファンに向けた映画だと思いました。

語り部は怪談を語ることで聞き手を怪談世界という擬似現実に導くという発想はさすが怪談界のレジェンド稲川淳二氏です。それこそがまさに怪談を聞く楽しさのすべてだと思います。語りを聴きつつ、想像の中で共に怪異を体験する。この怪談語りならではの臨場感と連帯感が物語仕立てにて映像化されていて良かった。

怪談が好きすぎて、霊ではなく「怪談」に取り憑かれて語りがやめられなくなった稲川淳二を女性アイドルがデカい石でボコ殴りする場面はたぶん稲川淳二ギャグだと思います。笑いました。

あと、語られる話が必ずしも事実である必要はなく、リアリティは語り自体の創造性にかかっているというのも、いかにも稲川淳二怪談だなと。全体を通して、本当に怪談がお好きなのが伝わる内容でした。