いつかどこかでポスターを見て
観たかった作品。
良い意味で裏切られます。
切り取られた日常の一瞬一瞬が
本当に美しい。
サリーやターバンの極彩色に心が躍って、
白い服さえ鮮やかに見えてしまう。
ザワザワうるさくてダイナミックなのに
常に静寂を感じる。
老若男女、みんなで準備して、
みんなで食べて、みんなで片付ける。
ただそれだけなのに、いつの間にか身を乗り出して、時間を忘れてしまう。
建築や寺院、タイルや幾何学模様が好きな人にはディテールもたまらないかもしれません。階段のタイルや窓の形、水がすべるときに見せるツルっとした質感、天井の格子。壁に書かれた文字も、サリーも映える。
グルスキーの写真を思い出したりもしながら。
わたしが現地で体験をするにはなかなか勇気がいるなと思ったけれど、そんなことがどうでもよくなるくらい、インドに行ってみたくなりました。
観ていてふと疑問に思ったことは、
ラストで全て解けました。
きらめきながら飛び交うお皿や人の波、
立派なひげの質感や鼻の形や瞳の色、
素敵な女性のシワなんかにも見惚れながら
改めて映画って素晴らしいと思えた
濃密な65分。
3日間くらい現地にいたように感じます。