うわ、これ、面白かったんだけど、評価難しいな。
ちゃんと泣かせる良い映画だし、クダラなさが突き抜けたシーン（後述）もあって、個人的にはどちらも大好きなんだけど、配合の割合で失敗してる。
クダラないバカ映画にスプーン１杯だけ泣かせる場面を入れるのは効果的なんだけど（その典型がクレヨンしんちゃんの「オトナ帝国」）、逆はアカン。せっかくのいい話が台無しになる。
要するに、バカと見せかけて泣かせれば涙の方が真実になるのに、泣かせる真面目なコメディに１点だけシュールなオフザケを混ぜてしまうと、せっかくの涙がウソになってしまう。
そういう意味では、この映画にあのシーンは混ぜてほしくなかったし、どうせなら別の映画でやってほしかった。たぶん、半年もすれば、あの場面しか記憶に残ってないと思う。
とはいえ、アクロバティックな「アレ」のシーンは、技の難度・正確さ・構成・美しさ、10点・10点・10点・３点！の映画史に残る「絡み」。もう、『ラストタンゴ・イン・パリ』か、『ナインハーフ』か、本作か、ってぐらい。
何であんなとこから「つり輪」が垂れてんだよ（笑）ってバカバカしさも含めて。
とにかく、主人公の糞ビッチぶりと毒舌が見所。
