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沈黙ーサイレンスーのNOBUのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
3.6
率直に言って、素晴らしい映画である。
藤沢周平の原作でスコセッシ監督が、日本の歴史ではあまり触れられないキリシタン禁制を深く掘り下げて描いている。
脚本視点からすれば、ストーリーは決して素晴らしいとは思えないが、全編に渡って緊張感を保たせており、俳優陣の素晴らしさも見て取れる。残酷なシーンが立て続けに出てくる中に“井上さま”はかなり異様であり、彼を演じたイッセー尾形の表現は見事である。本作一番の快演で怪演でないだろうか。

日本人が自らの文化や宗教観を改めて考察させる映画でもあるように思うが、キリスト教と仏教の理念を対峙させて語らせるシーンは他の映画ではまず観たことがなく、ある意味で新鮮。
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