たけちゃん

沈黙ーサイレンスーのたけちゃんのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.0
あなた方が我々の糧なのです……


マーティン・スコセッシ監督 2015年製作
主演アンドリュー・ガーフィールド、アダム・ドライバー、リーアム・ニーソン


勝手にお知らせシリーズ「今日は何の日」
今日の話は重たいです……
娯楽のたけちゃんらしくないレビュー😔

今日は元和8年8月5日に、長崎にて江戸幕府により迫害を受けたキリスト教徒55人が処刑された日、いわゆる「元和の大殉教」が実行された日です。ただし、調べてみたら、実は西暦に直すと、正しくは西暦1622年9月10日のことのようで、今日ではありませんでした。でも、せっかくなので……

「元和の大殉教」では25人が火炙りとなり、30人が斬首されました。その中には80歳の老婆や4歳の子供も含まれていたそうです。

僕はクリスチャンではありませんが、若い時に少しばかり勉強したので、キリスト教にはシンパシーがあります。
社会専攻でしたので、教育実習でも小学6年生のクラスで「キリシタン大名」の単元を授業したりしました。子供たちに見せるために自作の踏み絵を作ったり(彫刻刀で彫ったんです)したのですが、今思えば何も分かっていませんでしたね。思い出しても冷や汗が出ます💦

そんなわけで、今回はこちらを選びました。マーティン・スコセッシ監督による「沈黙 -Silence-」です。気合いが必要だなぁ……。








さて、映画です。
途中、辛すぎますね……
僕は高校生の時に篠田正浩監督の「沈黙」も劇場で観ていますが、もうしんどくて、二度と観るかと思いました。だから、ものすごく評判の良かった今作も公開時には観ていません。なんせ、今は娯楽で生きているので。

でも、語弊を恐れずに書くと、映画としてはめちゃめちゃ面白かったです。長尺でしたが、あっという間でした。やっぱりスコセッシ監督は上手いですね。あと、脚本の良さが光ります。

「狐狸庵」シリーズが好きで、原作者の遠藤周作さんも若い時に随分と読みました。その中で今作「沈黙」や「海と毒薬」からキリスト教に対する考え方を刷り込まれた部分もあるのですが、クリスチャンの方が観ると、また違う感想となるのでしょうね。"本当の信仰とは!"とグイグイ問いかけてくるのでしんどいです(>_<”)


映画を観ての感想や捉え方は人それぞれと思うのですが、どんな考え方であれ、その人の思い(魂)を強制してはいけないと思うのです。映画の感想もそうです。自分と考えが違うからといって排除したり攻撃したり、そういうのは本当にいけませんよね。また、昨今のSNSによる誹謗中傷にも同様なことを感じています。時に人は、自分を守るために他者に対して攻撃的になるところがありますが、21世紀に生きる自分たちは、それではいけないです。

僕ならどの立場で生きたでしょう……
映画を観ながら、この時代に生まれなくて本当に良かったと思いましたよ。だからこそ、今の幸せをしっかりと噛み締め、感謝して生きていきたいと思いました。


自分をいたわり、同時に他者もいたわり、全ての人が心穏やかに生きることの出来る世界が来るといいですよね。それこそがパライソ(Paradise)だと思いますから……