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沈黙ーサイレンスーのよこたんのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
3.6
NHK BSで。 テレビつけたら放送してて
時代劇かと思ってみてたらただならぬ
雰囲気に見入ってしまい、録画して観た。

江戸時代の隠れキリシタンを題材にした
マーティンスコセッシの映画だった。
どうりで江戸時代の日本の再現度が
凄い。 
棄教を拒む司祭ロドリゴの前で日本人
キリシタンが次々と拷問死される。
その描写が容赦ない、流石スコセッシ。

幕府の通訳の浅野忠信の言葉に納得。
曰く、司祭達は布教しに日本に来たが
日本の文化、言葉、食に対して何一
つ理解しようとしていない。
日本のキリシタンはキリストの教え
真理を信じてる訳ではない、ただ来世
パライソ(天国)に行ける事を望んでる
だけだと。  
増税に苦しむ農民にとっては、苦しみの
ない来世を解く人が現れたらすがりたく
なるよね。

そして、こんなに過酷な現状にも
主キリストは沈黙したまま。おかしい
ではないか?と疑問を抱くのも尤もだ。

苦渋の決断をしたロドリゴの最後の最後の
シーンに信仰の凄みを感じました。

キャストについて。
モキチ演じる塚本晋也。別な意味で壮絶な
映画「野火」の監督主演してるけど、
今作でも迫真の演技でした。

通訳の浅野忠信。 暗いシーンが続く中
この人の登場で何故か少し画が明るく
なる感じがした。 顔立ちの良さなのか
セリフに説得力があるからなのか。
渡辺謙が降りた後釜らしいが、浅野忠信
で良かった。

隠れキリシタンとして死を遂げる農民、
小松菜奈。 予想外の登場に驚き。
少し暗い目元が役にぴったりでした。

キチジロー演じる窪塚洋介。
疫病神!って何度も叫びたくなった。
滑稽な程情け無い役を好演。

スコセッシ監督でウィリアムデフォー
主演のキリスト映画もあるけど、
見るのしんどいかしら。
遠藤周作の原作は読んでみたい。
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