Nowhereman

沈黙ーサイレンスーのNowheremanのネタバレレビュー・内容・結末

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

テーマも何もかも強すぎる
決して楽しい話ではないが、2時間40分の上映時間を長く感じさせない完成度。今作に関わった人々が最高の仕事をしたことは随所に見て取れるが、俳優たちの演技もさることながら、この映画を見事に作り上げたスコセッシの手腕たるや。さすがと言うほかない

人は見たいものを見たいように見ると言うが、極限まで追い込まれ折れそうになった時に見えたものがそれまで沈黙し続けていた神の姿だとしたら、(それがあくまで見たいものでしかなかったとしても、むしろその状況にあって尚見たいと願うからこそ)それは、紛うことなき信仰であり、祈りであると言えるのではないか。その言葉は神の答えに相違ないのではないか。信仰とは形ではないのだ。信仰ではなく形を手放すことを神に許された時、他人の目に映る姿とは反対に信仰は揺るぎないものになったのだ。本来の目的である布教は果たせず、弾圧の手伝いさえするがそれらは重要ではない。その後の人生においても、終わりに際しても、心の奥底から神がいなくなることはない


キリスト教徒の方が今作を観て何を感じるのかぜひとも聞いてみたい。心を動かされる素晴らしい作品でした
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