姉の愛読書だった「沈黙」…その姉に勧められて読破したが当時中学生の私には難解だった。今の私に小説を読むのは困難だが映画を観るのは容易い。
その遠藤周作による歴史的文学小説を巨匠マーティン・スコセッシが映画化した作品はあまりにも重厚な仕上がりであった。
ただちに咀嚼できそうにない。
『旧約聖書』の「詩篇」第22篇(「わが神、わが神、なにゆえわたしを 捨てられるのですか…」)がコンセプトとなっているというが日本人が行った“踏み絵”というのは魔女狩りと同等以上にあまりにも残酷すぎる。
棄教や信仰の自由とは何なのだろう…ほぼ宗教や信仰とは無縁な私には理解に苦しむ難解なテーマではあるが激しく魂が揺さぶられたのは事実。
エグゼクティブプロデューサーの名にロビー・ロバートソンの名があるにも関わらず劇中の音楽はほぼ無であることも重厚さに拍車をかける。
時を置いて再見したい作品である。