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沈黙ーサイレンスーのぴよぴよのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.5
映画館で見るのを迷って迷って…見逃した今作。

暗そうな気がしてた…実際暗かったけど。長くて辛いと危惧してた…でも長さは感じなかった。見始めるとグイグイ引き込まれて最後までイッキ見。

基督教弾圧の日本に恩師フェレイラを探しにやって来る宣教師ロドリゴとガルペ。長崎の貧しい村々で迫害を逃れ、ひそかに基督教を信じる村人達。恩師を探しながら彼らの福音になろうと努力する2人に弾圧の手が迫る。


恩師フェレイラはニーアムリーソン!
ロドリゴがアンドリューガーフィールド。
ガルペはアダムドライバー!
なんて豪華なんだ✨

日本の通訳は浅野忠信。さすが国際俳優の貫禄。
イッセー尾形の奉行井上は悪役だけど不思議な魅力がある。
最後までロドリゴを翻弄する村人キチジローに窪塚洋介。

ほとんどが貧しい村や牢獄の中のシーン。地味で静謐な雰囲気の中、宗教を通して人間の業や生き様を問いかける。

揺るぎない精神の根幹であるはずの信仰が弾圧により崩壊した時、人間は何を頼りに生きるのか。

人の為?自分自身の為?たかが踏絵…されど踏んでしまった自分への懺悔は誰が聞く?

日本人にとって信仰とは?
沼地のような日本人の精神に信仰は根付かないと奉行井上は言う。そうなのかもしれない。日本人が神を感じるのは私達を包み込む森羅万象、雄大な自然?

転び伴天連…どこかで聞いた言葉…そうだ!あの剣客眠狂四郎は、転び伴天連と日本人女性との子供…その言葉にはどこか哀しさが漂う。

転んでしまった彼らの気持ちの拠り所は何だったのだろう?執拗に転びの真偽を確かめ続ける奉行所。

本当の気持ちは微塵も現さず、それを静かに受け止めながら、最果ての地日本で粛然と命をまっとうする。

神は何故いつも沈黙を守っているのだろうと問いかける。自分で考えなさいと諭してるのだろうか?

自然の音色だけが流れる静かなエンドタイトル…涙がこぼれました💦
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