Wakana

沈黙ーサイレンスーのWakanaのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
3.4
遠藤周作を読むと、たしかに「どうして人生はこんなに苦しまねばならないのか」という彼の問題意識を読み取れるけれど、その苦しさを形作るうえで日本人の強烈な同調圧力とムラ社会も避けがたく描いている。スコセッシはそれをどう見るのかしらと思ったら、それよりは個人の信仰の揺らぎがメインだった。日本の自然崇拝と西洋思想の乖離についての押し問答とか、キチジローをどう描写するかもっと掘り下げて見たかったな。

ーーとはいえ、キリシタン弾圧を超大作映像で見れたのはすごくよかった。踏み絵を習った当初は、身近な場所はみんな舗装されていたし日本的な感覚も相まって〈形だけ踏んどけば感〉があったのだけど、17世紀の田舎のぐちゃぐちゃなところで踏むってちょっとやそっとじゃできないか、と気づかされる。
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