FREDDY

沈黙ーサイレンスーのFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

まず言いたいのは、本作は"絶対に観るべき作品"ではないでしょうかね。
歴史の授業で"隠れキリシタン"の事は習いましたが、時代背景などがイメージ出来なかった事もあり、深い知識はありませんでした。悪く言えば、"ただの歴史"としか頭にはなかった。だが、本作を観て多くを学び、深く考えさせられましたね。原作が創作小説とはいえ、実在する人物がモデルであり、宣教師らが受けた拷問や、それにより棄教・殉教した人がいた事も事実。観ていて何度も胸が苦しくなりました。

物語は宣教師ロドリゴの目線で描かれているので、どうしても日本が悪に映ってしまいますが、イッセー尾形が演じた井上筑後守は元は熱心なキリスト教徒であり、幕府も以前までは弾圧まではしていなく、様々な事柄を経て禁教令を発布している。なので、これは正義や悪の話でも、正解、不正解の話でもない。最も重要なのは、登場人物の"真っ直ぐな心"。それぞれの真っ直ぐな心が様々な表現で描かれている。そして映像も美しく、余計なBGMもないので作品に重厚感が増している。2時間40分と長編ではあるがまったく苦にならず、それどころか物語に没頭していてあっという間にエンドロール。本作は本当に素晴らしい作品でした。
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