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レクイエム 最後の銃弾のdadaのレビュー・感想・評価

レクイエム 最後の銃弾(2013年製作の映画)
3.5
『男たちの挽歌』『インファナル・アフェア』を継ぐ香港ノワール最強の「男気」ドラマ

幼なじみで親友のティン、チャウ、ワイは警察官となり麻薬捜査で活躍。何かを成し遂げたいと強く思い描いているエリートコースのティン(財津一郎似)。潜入捜査歴が長くやり場のないルサンチマンを抱え、どこかで一発逆転を狙っているチャウ(昭和の男前)。何かに秀でているわけではないけど、この3人で居たいたと強く思い、ティンとチャウの仲を取り持てっている必要不可欠な存在のワイ。そんな3人が織りなす男気物語、昭和にワープだ!な映画です(時代を反映して、ワークライフバランス重視)。

オープニングはウォンカーウァイの『恋する惑星』のそれと似ていて、ちょっとおしゃれなはじまり方。アクションの迫力も申し分なく、緊迫感もまずまず。でも、それだけでは無く、激しいうちわ喧嘩の最中、突然、ひとまず飯でもを食って落ち着こう、なんて言って長閑なシーンにすっ飛ぶところや、琴の先生をしている別れた元妻に近づきたいチャウが、おばさんの子と称して12人も子どもを紹介してしまうところは、劇場の笑いを誘い、箸休めも上手いこと挿まれています。あと、タイ語が新鮮。ただ、終盤の大事なところで急にセンチメンタルになって、方向性が寸断される感じがちょっとマイナスポイント。
でも、最後の銃撃戦は見応え十分で『スカーフェイス』レッドバージョンのような大銃撃戦は迫力満点‼︎終わり方は潔く、香港ノワール映画の系譜に連なるエンディングとなっています。

愛情も友情も目に見えにくいから、失ってからその重要さに気づくことが多いです。それじゃダメなんですよね。

@シネマート新宿
シアター2でちょっと音響装置が弱かったのが残念

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