鰹よろし

ファイアー・レスキューの鰹よろしのレビュー・感想・評価

ファイアー・レスキュー(2013年製作の映画)
3.3
 消防士のサム、イップ、チウの3人は10年来の友人で一蓮托生であったが、とある火災現場での命令無視規則違反を問題視され、三者三様の対応を見せたことから道を分かつことに。

 サムは出世コースから外れることを恐れ保身に奔るが、同じく責任転嫁に終始したイップに出し抜かれ結局昇進を逃し、さらには現場にトラウマを抱え内勤の日々。プライベートもうまく行っていない模様。

 チウはというと妻子とは別居中?(離婚した?いや父子家庭?)の様だが何だかんだ息子からの信頼は厚く、バリバリ第一線で活躍しており、イップは言わずもがな消防士としての職務よりも自分の地位向上にしか興味が無い。でも家庭は円満。

 そんな3人を中心に、新人とベテランの新人と鬼教官たちを交え、濃煙が立ち込める発電所大火災に立ち向かう...

 火災現場において炎よりも遥かに恐ろしく消防士の真の敵とされる濃煙とは、真実を覆い隠すモノであり、人間関係における蟠りとそれを生じさせる何かしらの誘惑であり、それぞれが抱える恐怖やトラウマそして晴れない心であり、またそれと否応なしに向き合わせるモノである。

 一見関連が無いとある僻地での火災がパイプラインを通じて発電所火災へ。その影響で香港全土が停電へ。ちょっとした綻びがちょっとした掛け違えが一時の過ちが行く行くは・・・どこかに皺寄せが・・・負の連鎖を生じさせていく・・・。

 もしかしたらどこかで取り返しがついたかもしれない防げたかもしれない大災害に、道を違え蟠りを抱え修復する機会を逃し来るところまで来てしまった漢たち(3人-1+α-1)のドラマを重ねながら、濃煙に立ち向かう一蓮托生連帯責任な消防士たちの勇姿に見える希望を目と心に焼き付けて・・・。


「バーニング・オーシャン」(2016)...
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