ごんす

最後の命のごんすのレビュー・感想・評価

最後の命(2014年製作の映画)
1.0
幼い頃に集団性暴力事件の現場を見てしまった二人の青年の話。
柳楽優弥演じる主人公はそのトラウマから触れられることに拒否反応があったり性的なものに対して罪悪感を抱えている。

これは隠れた駄作だと思う。
中村文則の原作読んでいないけれどこんなんじゃないのは読まなくても分かる。
重たいテーマをフックにしているだけの胸糞ポルノに感じる。
何もかも柳楽優弥に依存している。
朗読劇にして柳楽優弥ひとりだったら成立したのかも。

結局救う人間と救わない人間を物語の都合で選別しているし、はぁそうでしたかとしか言えない盛大な後だしジャンケン大会。

悲劇や暴力の連鎖のようなものを台詞で説明されるとこうも冷めるものかと気付かされた。
回想シーンや映像を使った表現も作り手がそれがやりたいだけとしか思えなかった。

映画の魅力の無さとは別に性暴力やトラウマについては考えさせられるつくりにはなっていてほしかったのに気が散ってしまい難しい。

これを観ると苦手な印象の強い瀬々敬久監督の社会派エンタメ作品は確かな腕があるんだなと気付いた。
どう観たら本作は面白くなるんだろうか。
終盤ミステリーの種明かしに入っていくのだけど、そういえば人死んでたんだっけと忘れていた。

滝藤賢一ファンとしては露悪的な取り調べシーンは面白いと思う。
取り調べ後に「これは殺人事件なんだ、わかってくれ」という台詞は主人公へではなく観ている人がストーリーを忘れないように親切で教えてくれていたんだ。
ありがとう。
ごんす

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