PTSDを取り扱っていて、その内容、症状的にもそうそう間違ってはいなかったので、その点は良かったが、台詞が台詞になりすぎていた。現実性を帯びないことには、このストーリーには引き込まれない。内容の重さに眼が吸い寄せられるだけだ。
柳楽優弥には期待しているし個人的に好きで、応援しているけれど、少し眼光に頼りすぎている気がした。
内容は重いがその理解のためには大事なこと。ただ、映画全体の流れがチープに感じ、悲壮感やそれを助長する演技で情動を発起させるような演出のように見えてしまう。そう考えると、柳楽優弥の演技とて、あまり良いとは思えなかった。
時系列の流れがつかみにくいのは、役者の年齢ごとの変化が薄いことにも原因がありそうだ。