真っ黒こげ太郎

サボタージュの真っ黒こげ太郎のネタバレレビュー・内容・結末

サボタージュ(2014年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

一人づつ消されてゆく、最強の9人―――。

…言うまでもないが、犯人は宇宙人の戦闘民族じゃないよ。
(プレ○ターw)



麻薬取締局の特殊部隊を率いる筋肉モリモリマッチョマンのジョン・ウォートンは、荒くれチームと共に麻薬組織のアジトを強襲。
皆で密かに組織の金をネコババして儲けようとするが、お金は何処かに消え、麻薬取締局にネコババの容疑を掛けられてしまう。

6か月後、処分が解かれチームが復活!!!
バラバラになっていたチームワークをジョンが纏めて、見事チーム再結成!!!

だがその夜、仲間の一人がキャンピングカーごと列車に轢かれてミンチになってしまう!!!
最初は事故だと思われたが、その後も次々と仲間が次々と無残な方法で死んでゆく!!

仲間達はあの取られた金が原因と見て警戒を強めるが…それでも次々と死者は出て…。




麻薬取締局の荒くれ特殊部隊員が次々と消されてゆく、サスペンス・アクション。
主演はアーノルド・シュワルツェネッガーさん、そして監督はデヴィッド・エアーさん。

鉄骨州知事なシュワルツェネッガーさんとリアル系ギャング物が得意なエアーさんのタッグ!!!
そんな一軒良さげなタッグの本作だが、評判は良く無さげ…。


「つってもシュワルツェネッガーさんとエアーさんでしょ?そんな酷い内容かね?」と思って鑑賞したのだが…何と言うか、スゲェ珍妙な一作になっていた。


冒頭から主人公(シュワルツェネッガーさん)の奥さんのハードな拷問で幕を開け、それから間髪入れずに麻薬組織乗り込み&現金強奪がキビキビとしたリアル重視なアクションで描かれる。
そこから「ネコババした金が突如消える→数年後、仲間達と再集結→仲間が次々殺され、主人公と女刑事が捜査する」というサスペンス展開にもつれ込んでゆき、捜査の果てに最終的には犯人が明らかになる…という展開なのだが。

主人公と女刑事の捜査で犯人が麻薬組織の連中ではなく、金をくすねようとする仲間が真犯人だった!!!という事で犯人が絞られドンパチの果てにすべての真相が明らかに…ならない。w
というのも、今作はその真相からの結末を見ても、事件の真相自体が分からないのだ!!!!一応犯人の真の目的はラストで徹底的に描かれるけど…。

ネタバレの為に詳しくは書かないけどさ、奥さんの復讐目当てなら金をこっそり盗った時点でさっさとメキシコに行っとけばよくない?
仲間を殺した犯人はクライマックスで明らかになったけど、金を隠しといたのをコッソリ教えとけばこんな惨劇にはならなかったんじゃないの?
ラストの復讐展開で、妻殺しの犯人をぶち殺して傷を負いながらドヤ顔で終わってたけど、結局仲間を殺す必要なくないか?????
連れ戻そうとする彼らが邪魔だったのかもしれないけど、それならそれでもーチョイ上手く何とかできなかったのか!?
(連れ戻すなって頼む位出来るだろう。)

そんなこんなで、見た後は悪い意味で「何故!?」「どういうことなの…」「全然分からん!」と疑問符の嵐。
そりゃアクション俳優の主演作にそんなの求めちゃいかんのはわかってるけどさ、前半からしっかりと時間を掛けて見せてくるサスペンスの後ではっきりしない結末を描かれたら、そりゃ説明を求めたくはなるさ。
殺した犯人の暴走の動機もムチャクチャだし、兎に角サスペンス物としては説明不足で、意味不明なシロモノと称され手もしょうがないレベルなのは否めないと思います。


そんなヘンテコリンで困った本作ですが、以外にも面白く見れたりしちゃうから驚きだ。w
いや、むしろこんなハチャメチャで破綻しまくった内容を面白く見せられてしまうエアーさんの手腕が凄いのか。w

序盤のガンアクションはキビキビとしたリアル志向で一気に引き込まれるし、そこからのマッチョ軍団再結成&ストリップバーでの打ち上げもマッチョ指数多めで何か楽しい。
(とあるワンシーンでシュワルツェネッガーさんの筋トレも見れるのが嬉しい。)

中盤からはサスペンスでちょっと中だるみはするが、彼らの殺され方が予想以上のグロゴアスプラッターで、そういう意味では違うベクトルで楽しめました。w
あれじゃもう完全にスラッシャー映画だよ。w
(まぁ、殺される場面を見せて欲しかったとは思いますが。真相の説明的な意味も兼ねて。)

クライマックスのカーチェイスはかなりハチャメチャで、マッチョ指数がイキ過ぎな女捜査官はヒャッハー状態になるわ、巻き添えは出るわ、車運転してたヤツが物凄い勢いで死ぬとか、兎に角色んな意味で(爆)ド派手で素晴らしかった!!!!
最後のオチも正直無理矢理気味だが、ここら辺で今まで抑えられていたシュワルツェネッガーさんの作風が爆発するのも何か不思議な世界に引きずり込まれた感じで何か知らんが楽しかった。wwww


そんなこんなで、要所要所は見どころ満点だけど、何と言うか物語に繋がりがないし、サスペンス描写も説明不足な所など、細かい点がアレ過ぎたにもかかわらず勢いで見れたという、何と言うか実にヘンテコリンな一作でございました。
まぁ、尺の長さが3時間と長かったのでカットしたり色々付け加えたりした結果こうなった様だからしょうがないんだけど…。
(あれ、エアーさんの作品でそんなのどっかで聞いたような。w)

まぁ、見どころは多いので退屈はしないし、俺は嫌いじゃない(むしろ好きだ)けど、正直よっぽどシュワルツェネッガーさんやエアーさんのファンでないとオススメは出来ないな…。w