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サボタージュのmanacのネタバレレビュー・内容・結末

サボタージュ(2014年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』が原作だというけれど、アガサの面影は全くありませんでした。
ついでに言うと、サスペンスとかミステリーでもありませんでした。
シュワちゃんがやってると思えば、まぁこんなもんかなぁと思えなくもないけれど。


ミステリの女王アガサ・クリスティといえば、やはり謎解きが醍醐味ではないでしょうか。
というか、アガサじゃなくても推理物といえば、事件が起き、登場人物の人物像を深く掘り下げて動機を探り、そしてその犯行の過程を暴くことに楽しみがあると思うのだけれど、そういうもの一切なし。全くありませんでした。
犯行の動機がなかった。
犯人は最後に自分の物になるはずだったお金を盗った奴を殺したかったと言っていたけれど、そんな理由で手当たり次第に殺すか、普通?
金を取り返すことが先決で、相手を殺したいはその次に来るのが順当かと思うけれど、あまりお金に興味を持たずに手当たり次第に殺してました。ただの頭おかしい人になってる。

なんでこんなおかしなことになっちゃったかというと、元々は3時間に及ぶミステリー仕立ての作品だったのを、プロデューサーに長すぎるとか暗すぎるとかダメ出しされまくって、編集に編集を重ね、ラストの撮り直しまでして出来上がったのが本作らしいです。
本来の作品にどの程度アガサの面影が残っていたのかは今となっては永遠の謎ですが、プロデューサーが口出ししなければもう少しまともな作品になっていたのかも?

『そして誰もいなくなった』はもちろん、サスペンス性を求める人にはお勧めしません。
派手さはないけど、なんとなくシュワちゃんのアクション映画見たいという人にはお勧め。
脚本はあまり気にしないって気持ちで見れば、それなりに面白いと思う。
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