オタール・イオセリアーニ監督の最新作。
劇場公開を見逃してしまったものの、やはりエッジの効いたイオセリアーニ節は健在でした!
フランス革命で市民たちに処される男爵。
監督の祖国グルジア(現ジョージア)を思わせる荒廃した町で、戦闘と略奪を繰り返す兵士たち。
そして現代のパリで展開される老若男女の数珠繋ぎストーリー。
これらが時空間を越えて作用してゆくパラドックス的階級闘争!
現代社会が抱える不条理な問題群を多くの登場人物に載せ、あくまで(毒っ気たっぷりに)ユーモラスに描きながらそれを軽やかに笑いのけちゃうスタイル。
それは依然として彼の奏でるカリカチュアした人間讃歌へと繋がります。
後に残る、この充足した愛しさがたまらん。
御年82歳にしてここまでのバイタリティーとブレぬテーマ、素晴らしい限りですね。
イオセリアーニ作品は何時間でもずーっと観てられる気すらしてくる。
まだまだお元気で、映画を撮り続けてほしいものです!