映画としてはぶっちゃけかなり退屈してしまったが、そんなことより改めてテレンス・マリックの作家性に感服した。
ワイドレンズでの画の切り取り方、ジャンプカットの多用に、独特な編集のリズム。
ひと目見ただけで、これはテレンス・マリックだと誰もが分かる個性の強さ。これはもはや発明だ。一体どれだけ映画を見て、映画を研究したら、こんなにも作家性を確立することができるのだろう。
彼の映画は、物語を追うというよりも、映像のコラージュの中に身を委ねる、ヒーリング体験に近い感覚を覚える。
小難しく考えず、むしろ頭を空っぽにして、目の前に現れる画に思うがままに反応する。その先に、えも言えぬ快感が待っている筈だ。