無名のひと

パパが遺した物語の無名のひとのネタバレレビュー・内容・結末

パパが遺した物語(2015年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

作家のジェイクは自損事故を起こしてしまい、妻を亡くしてしまう。
娘ケイティに傷はなかったが、ジェイク自身は怪我が治った後も事故のショックで躁うつ病を患ってしまい、痙攣の発作に悩まされるようになった。
義姉エリザベスの元に娘を預け、7ヶ月入院して治療をした。
退院後、エリザベスはケイティを養女に迎え入れたいと申し入れるがジェイクは拒否。
その後、ジェイクの自信をもって発表した新作は評論家からの酷評を受ける。
エリザベスの誕生パーティに出席したジェイクとケイティ。
そこでエリザベスの夫は再びケイティを養女にする話を持ちかける。
入院費捻出のために自己破産をしたジェイクより、豊かな自分達が養育した方がケイティのためになると言うのだ。
また、ウィリアムはジェイクが入院したにも関わらず、変わらず痙攣に悩まされていることを指摘。
腹を立てたジェイクは、思わずウィリアムを突き飛ばしてしまう。
ウィリアムはそんなジェイクは父親に相応しくないと、ケイティの養育権を申し立てる。
ジェイクは苦悶しながらも執筆を続ける日々。
そんなとき、ウィリアムの浮気が発覚し、エリザベスと離婚することに。
必然的に親権問題は解決。
ジェイクは「父と娘」という作品を書き上げ、ピュリッツァー賞を受賞。
しかし、これからというときになって発作を起こして倒れ、不運にも頭をぶつけて死んでしまう。
物語は、過去と交互に現在のケイティの物語も同時進行している。
両親を亡くしたケイティはエリザベスに引き取られ、大学生になっていた。
心理学を専攻しながら、不幸な生い立ちゆえに失語症になってしまったルーシーと心を通わせる。
しかし自身は早くに両親を亡くした傷から、バーで知り合う男たちと一夜の関係を繰り返していた。
そんな中、「父と娘」のファンだというキャメロンと出会って恋仲になる。
しかし、両親と同じようにキャメロンもまた自分の前からいなくなってしまうのではという不安に駆られ、再びバーで出会った男性と夜を共にしてしまう。
浮気に気づいたキャメロンはケイティに別れを言い渡す。
自棄になって飲み歩いていたとき、父との思い出の歌がジュークボックスから流れてくる。
愛するということを思い出したケイティは、再びキャメロンの元に向かうのだった。



自分が浮気したことで口論した末に事故を起こして妻を亡くした、それは普通に事故で妻を亡くしたよりはショックだったと思う。
そのために病気になったとしても、脳の損傷だから治るにも限度があるんだろうから、ウィリアムは養育権を取り上げようと追い詰めなくても…。
ケイティもジェイクに懐いていて、引き離すことが彼女の傷になるとは思わなかったのかと。
資産家だというなら、金の援助だけしてやればいいのに笑
浮気してて家庭人として失格なくせに笑
両親を立て続けに失ったケイティが、愛する人は目の前からいなくなってしまうのではないかという強い不安感で防衛本能を強めて真っ当な恋愛ができなくなるのは多少しょうがないのかもしれない。
パーソナリティー障害のようなもの?
「父と娘」がどんな物語だったか、少しでも描写があったらなぁ…
自転車に乗ることを教えるのって、その子にとっての一生の思い出を共有するってことだと思う。
ケイティにとっても父親との忘れられない大切な思い出のひとつだったから、ルーシーにも自転車に乗ることを教えたんだよね。
そのとき自転車に乗れるようになったルーシーを見てケイティは大喜びするんだけど、子どもを通じて親の気持ちを知るってことはままあると思う。
ケイティのそこかしこにはジェイクの存在が確かに生きていた。
仕事をする傍らで遊んでいるケイティが口ずさむ「Close to you」をジェイクも一緒になって歌うシーン。
父親を失っても、一緒に過ごした日々はケイティの中に確かに残っていることに気がついた、というエンドなんだと思っている。
元はカーペンターズの歌だけど、マイケル・ボルトンが歌うバージョンもいいなと思った。
それと、ケイティ役の子がめちゃくちゃ可愛かった。
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