アむーレ

パパが遺した物語のアむーレのレビュー・感想・評価

パパが遺した物語(2015年製作の映画)
3.8
フィルマークスの平均評価は決して高いとは言えなかったが、アマンダ・セイフライドがとても好きなので観ることにした。
アマンダ・セイフライドの泣いたり笑ったり感情が高ぶった時に顔真っ赤になるあたりが人間臭さがあって好きなんだよね、演技なんだけど素に見えるというか。

アマンダ・セイフライドから作品を観ることを決めたわけですが、ストーリーもなかなか良かった。
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主人公のケイティは幼い頃に母を交通事故で亡くすが運転していた父ジェイクも後遺症が残り鬱を発症してしまう。精神病棟で7ヶ月の治療を受け退院するものの、退院後も発作は治まらず苦しむことに。
入院期間中にケイティを預けていた妻の姉妹の家から、ジェイクはまだ症状が完治していないし貯金も少ないだろうからケイティを養子にしたいと申し入れられます。
実の父から親権を無理やり取ろうとするなんて…と、弁護士を雇うことになるがそれには多大なお金が必要。
そのお金を得るために小説家だったジェイクは、普通なら数年書けて書き上げるものをほんの3ヶ月で書き上げる。
題名は「父と娘」。その名の通りジェイクとケイティの人生そのものを書いた物語だった。
その物語を書き上げると同時にジェイクは発作を再発し天国へ旅立ってしまう。

そんな過去を持つ25年後のケイティが父との思い出を振り返るように幼少時代と今の時系列を交互に描いていきます。
幼い時から母だけでなく大好きだった父までも失い心の隙間を感じながら生きるケイティ。
自身は大学院の心理学を専攻しソーシャルワーカーとして働く立場で、自分と同じ心の自閉を抱えるルーシーのカウンセリングをしながら、そして初めて愛することができたキャメロンという男性との出会いを通して、両親を亡くした心の隙間を埋めてくれる「愛」に気づきながら、亡き父の自分に対する愛情を改めて感じとるのであった。
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なんともジーンとくる話でした。
愛する人を失うと虚無感というか、脱力して孤独に感じることはとても共感できる。
その心の隙間を埋めてくれる人に出会えたケイティ良かった…
これで自殺しちゃうバッドエンドだったらこっちまで鬱になりそうだった。希望の持てるラストシーンでした。

エンドロールシーンでの歌には父が遺した遺作「父と娘」の一節であるかのような歌詞が流れます。父から娘への無償の愛をも感じ取れる内容だった。

やっぱりアマンダ・セイフライド良いわぁ。
こういう切ない心が揺れ動く表情とかとても上手い。
ケイティの幼少期役の子もとても良かったです。
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