初木下。おもしろい!
お金がなくて引っ越せない純朴な絵描きの野村一家のお二階に、早くその一家を追い払って家を売っぱらいたい家屋売買のブローカーがお妾さんを連れて引っ越す。
ところが野村一家は揃いも揃って2人を父親とお嬢さんだと勘違い。
偽お嬢さん=ミドリはその誤解がまんざらでもなく、誤解させたままにしてお嬢さんとして過ごすことに喜びを感じる。
設定が実に良い。関係性とそれぞれのキャラが絶妙だもんだから、この人たちのお話を長編ドラマでなが〜く延々味わいたいと思った。
野村家の人たちが軒並みからりと奔放で感受性が強く徳があって、心地よい。
これにあてられてミドリも真っ当な人間の生き方、真の強さというものが分かるようになり、お妾さんという生き方を選んだ自分がどんどん嫌になっていく。
同時にこの家族を騙して生きることが日に日に辛くなっていく。
やあ、ほんとすばらしい設定。
キャスティングもとてもよく、演出やトンマナ全般も好みでした。
木下監督好きみたい。