ミサホ

チャイルド44 森に消えた子供たちのミサホのレビュー・感想・評価

3.9
再鑑賞です。
原作が面白くて、夢中になって読んだのを思い出す。ソビエトの連続殺人鬼チカチーロの事件を絡ませている。怖いよね、チカチーロ!

当時のソビエトでは、殺人は存在しないものとされていた。そうした思想の下で社会は動いていた。

主人公のレオ(トム・ハーディ)は孤児院で育った。大人になった今では、ソビエトの軍警察のような組織のエリート捜査官だ。

ある日、同僚の息子が遺体で発見される。同僚は「殺された」と主張。しかし、国家はそれを認めない。上官はレオに、“殺人ではない”と同僚を納得させろと言う。

レオは国家に従った。
スターリンの思想を守ったのだ。

ところが彼は、別の事件で失脚する。この事件にも裏があり、当時のソビエトの監視や裏切りが横行する社会にゾッとする。

そんな理不尽な社会に生きる男を描くと同時に、連続殺人事件の真相に迫るという、二軸のストーリー。スリリングに上手くまとめられていた。

原作の素晴らしさを台無しにするような作品じゃなくて、心底、ホッとした。トム・ハーディは渋くて良かったし、“特捜部Q”シリーズの主演のふたりが揃って出演していたのも、嬉しい驚きだった。
ミサホ

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