Teriyaki88

チャイルド44 森に消えた子供たちのTeriyaki88のレビュー・感想・評価

3.8
原作は未読で、冒頭の流れからあれ?そういう話なの?とひと時困惑したが、ともかく素晴らしい演技が随所に良い。

第二次世界大戦後のロシアとドイツの間にあった異質な社会の歪んだ空気感。
汗とタバコと血生臭さとキナ臭さが溢れでる世界観。
洗脳と生存本能の間で、残る性善本能。


結末はたしかにすっきりするのだけど、なんか予定調和っぽい香りが残った。秘密警察の本質がテーマとして敵対させたわけではないので、正解ではあると思えたけど、秘密警察がインパクト大だったために、少しバランスが悪かったが「楽園に殺人はない」という標榜を掲げた社会の歪さは十分伝わってきた。
演出と撮影と演技と舞台衣装はかなり高品質で良質な映画だった。